個人向け金融サービスでフィンテック企業のプレゼンス急拡大
米国の格付け会社ムーディーズは7月15日、フィリピンでフィンテック企業やデジタル銀行が個人向け金融サービス分野の大きな成長可能性を有していると発表した。また、既存の銀行はデジタルサービスの導入・開発が遅れている点を指摘し、フィンテック企業が銀行に対して市場開拓の面で優位にあるとした。
フィンテック企業による顧客開拓の動きは既に進展しつつある。その一例が、フィリピンのフィンテック企業ボイジャー・イノベーションが運営する電子ウォレットサービス「ペイマヤ」だ。新型コロナ感染拡大以降、非接触型決済サービスに対する需要が急速に高まった。
そうした状況の中、ペイマヤの利用登録者数は急激に増加し、6月時点で約3,800万人と、成人人口の半分以上を占めるに至った。6月28日には、ボイジャー・イノベーションはデジタル銀行設立と同社サービスのさらなる拡充を見据え、フィリピンの大手通信事業者PLDTや米国の投資会社KKR、中国IT大手の騰訊科技(テンセント)、世界銀行グループの国際金融公社から計1億6,700万ドルの資金調達を新たに行ったと発表した。
出典:JETRO