セブ、ダバオ開発に投資熱 人口増加、インフラ整備も着々
フィリピンの中部セブ州と南部ダバオ市で都市開発への投資熱が高まり、地場大手による沿岸部の複合開発やコンドミニアムの建設が動き出した。政府が地方開発を促しインフラ整備が進むほか、マニラ首都圏と比べると人口の増加率が高く、事業コストが低いことが魅力になっている。新型コロナウイルスの感染拡大が収まらない中、地方の経済成長を後押しすると期待される。
大手財閥アヤラ・コーポレーション傘下の不動産部門アヤラ・ランド(ALI)は、セブ市南部の埋め立て地サウス・ロード・プロパティーズで沿岸都市「サウス・コースト・シティー」を進めている。
セブとダバオは、首都圏と周辺州に次ぐ都市圏にもかかわらず、開発の余地は大きい。ドゥテルテ大統領が法律や大統領令などで地方の活性化を促していることや、首都圏に比べて開発コストが安いことが追い風になっている。
人口増加もプラスだ。フィリピン統計庁(PSA)によると、20年のセブ州の人口は333万人、ダバオ市は178万人。マニラ首都圏の1,348万人より少ないものの、過去5年間の人口の伸び率は首都圏より高い。インフラが整えば、コロナ禍で首都圏から地方へのシフトが進む可能性がある。
ドゥテルテ政権が看板政策に掲げる大規模インフラ整備計画も後押ししている。セブ島とマクタン島コルドバを結ぶ有料橋「セブ・コルドバ連絡高速道路(CCLEX)」の敷設事業や、南部では日本が支援するダバオ市沿岸バイパス道路建設など、首都圏外でもインフラ整備が進む。
出典:NNA ASIA